あわにゃん日記

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九山準決勝・ミヨシとの打席

今日は九山準決勝。
強豪・久留米大学医学部との一戦だ。
3年前の九山決勝など、いつも大事なところで惜敗している相手である。
今度こそ勝利し、明日は決勝へ駒を進めたいところだ。
おっけーおっけー!


こんな大事な試合に、俺は6番ファーストでスタメンだった。
うーん、これまで7年間の試合の中で、一番緊張するにゃー。
ま、あの頃より成長してるはずだし、何とかなるさ。


ん?
あの頃って、いつのことだって?
本当に成長してるのかって?
ざっけんな!
自分への暗示だし!


そして、準決勝が行われた。
集中していたということもあり、珍しく守備にミスはなかった。
うんうん、良い感じ。
あとは、課題のバッティングだにゃー。


そのバッティング、第1打席は、ライト線に珍しく鋭い当たりを放つものの、ファール。
結局、三振してしまった。
第2打席は、追い込まれたあと、ストライクが来たので、「やべぇ」と思って無理やりカットしようとしたら、ボールじゃない何かを打った。
「ん?」と思ったら、キャッチャーのミットを打っていた。
おお、やったー!
打撃妨害で出塁にゃー!
ラッキー!


そんな感じで前半5回までが終わり、味方は劣勢。
5回終了時のグラウンド整備のときに、俺のところにミヨシが近寄ってきた。
ミヨシは俺が試合に出てるとき、今日の俺のバッティングの状態とか、狙い球とか、三塁走塁コーチをしながら感じたことをアドバイスしてくれる。
みよっぴー、今日の俺はどうかにゃ?


ミヨシは、「今日のバッティング、なかなか良いよ! ちゃんと上からボール叩けてるよ! 第1打席のファールとか、惜しかったし!」と言った。
おお、珍しく今日は褒められたな。
んで、これから先はどうすればいい?


すると、「これまでの2打席で、おまえがインコースに全く手を出さないことがバレてるっぽかったよ。だから、次の打席はインコースを必ず攻めてくるよ。もしかしたら、際どいのが来るかもしれないから、避けちゃダメだよ!」とミヨシ。
ふむふむ・・・。
インコースは体で当たりに行き、真ん中〜アウトコースはこれまで通りに打てばいいわけね。
おっけーおっけー!


そして、迎えた第3打席。
変化球は打てないから、真ん中〜アウトコースの直球に意識を集中し、なおかつインコースはデッドボールになるように、少し内寄りに打席に立った。
何球待っただろうか、そいつは突然やって来た。
ぬおー!
インコースのストレートだ!


反射的に避けてしまいそうになる俺の体を、ミヨシのアドバイスが抑え込む。
そして、俺の左肘に嫌な打撲音と、心地良い痛みが広がった。
いてててて!
・・・やったー!
みよっぴー、やったよ、デッドボールにゃー!






結局、試合は1対4で敗れ、残念ながら九山優勝は無くなった・・・。
ミヨシと一緒に野球をする最後の大会で、夢の金メダルへの想いは露と消えた。


金メダルは取れなかったけど、今日また1つ、大切な思い出ができた。
デッドボール、それはピッチャーのコントロールミスによる単なる棚ボタなのかもしれない。
でも、俺にとってはミヨシと一緒に勝ち取った、価値ある出塁だった。
俺はあのとき、確かにミヨシと2人で打席に立っていた・・・。