徹夜で勉強し、学校で朝を迎えた。
取りあえず、補体系だけは完璧に理解しておいた。
そして、朝9時、試験が始まった。
試験用紙は2枚。
取りあえず、1枚目に全力を集中する。
ん?
割とペンが進むぞ!
1枚目の試験用紙は文字で真っ黒になった。
ま、それでも、作文能力でだいぶ文字数を稼いでるだけだから、内容的には6割の点くらいかにゃー。
だはー。
そして、2枚目を見た。
・・・・・。
ぬおー!
サッパリ分かんねえ!
つぁはぁ〜!
1枚目が6割、2枚目が3割の点を取れてるとして、合計で・・・。
45点!?
つぁはぁ〜!
希望的観測だけど、全然足りてねえじゃねえか!
しかも、唯一の得意分野の補体系は1問も出なかったし!
ざっけんな!
3時間にわたる試験が終わり、砕け散って教室を出た。
試験を受けた人は、みんな苦悶の表情を浮かべていた。
どうやら、みんなできてないらしい。
でも俺は、できてない人の中でもできてないんだろうにゃー。
つぁはぁ〜。
帰りたかったけど、午後は出席を取る薬理学の授業だったので、そのまま学校にいた。
1階を歩いてると、コーラ部屋に4年のタナカがいて、俺を見つけると手招きした。
タナカは、昼1時からの病理の再評価のために勉強しているらしい。
タナカは、とても焦っている様子だった。
試験まで1時間を切って焦っているのかと思ったら、違った。
同じく再評価を受けるはずのミヨシのことだった。
タナカ「ミヨシに連絡が通じないよ!」
なにぃー!!
9月にあった1回目の再評価をサボってしまったミヨシ。
2回目の今回で通らないと、留年が確定する。
受けなければ、なおさら確定だ。
タナカは「アワヤ、もうミヨシの代わりに受けてあげてよ。おまえら背格好似てるからバレないよ」と言っていた。
ざっけんな!
バレるとかバレないとか、そういう問題じゃねえっつーの!
俺は、病理は1回も勉強したことねえっつーの!
俺もミヨシに電話してみたけど、通じなかった。
寝てるだけかもしれないと思って、その後30分くらい何度も電話したが、全く通じない。
ざっけんな!
あいつ、またサボるつもりかよ!
もう進級諦めたのかよ!
ミヨシの廃人全開っぷりにホトホト呆れていたら、長い前髪で目がほとんど隠れ、サイドは伸びすぎてどこがモミアゲだか分からないキモい奴が目の前に現れた。
ん?
ミヨシじゃねーか!
ざっけんな!
「タナカも俺も、連絡通じなくて心配してたよ。来ないかと思ったじゃねーか!」とミヨシに言うと、ミヨシは「ざっけんな! ケータイなんか持ち歩いてねえし!」と逆ギレしていた。
肝心の試験について聞いてみると、「昨日始めたばっかりだけど、いける気がする」と言っていた。
本当に一夜漬けだけで病理通ってしまいそうだから、ミヨシは怖い。
だはー。
そんな昼休みが終わり、午後は薬理学の授業に出席した。
ちょうど昼過ぎは、最近の俺が布団に入る時間帯なので、すこぶる眠かった。
気付いたら机に伏して寝ていて、枕代わりに敷いたタオルにヨダレを垂らしていた。
起きたら、授業が終わっていた。
帰宅して、また夜中まで眠った。