救急部のポリクリ3日目。
今日も消防署での救急車同乗実習だ。
昨日は東署だったが、今日は南署で1人での実習だ。
朝8時前、家を出た。
南署は家から車で10分程度なので、すぐに到着した。
担当の人が案内してくれ、まずは署長に挨拶をした。
署長に「昨日はどこの署に行ったの? 出動はあった?」と聞かれたので、「昨日は東署にお世話になりました! 出動は4件ありました!」と答えた。
すると、「4件か! それは良かったね! 昨日、ウチの署の出動は0件で、学生さんがヒマそうにしてたよ(笑) 島根出身の人だったっけな?」と署長。
昨日南署に来たのは、確かイカワくんだったな。
って、イカワくんは島根じゃなくて、鳥取出身にゃー。
ま、どっちでもいいか。
同じ中国地方出身だけど、俺も違いがよく分かんないし。
ぷぷぷっ。
その後、昨日と同様、朝8時半の勤務交代の儀式を見学した。
屋外に隊員が整列し、儀式が始まる直前、署内のスピーカーが「ピー! ピー! ピー!」と音を発した。
ま、まさか・・・。
案の定、救急の出動だった。
朝8時15分から実習が始まって、8時22分にもう出動かよ!
昨日は0件だったというのに!?
俺って、何か引き寄せる力があるのかにゃ?
だはー。
救急搬送を終え、9時頃に南署に戻った。
すると、休む間もなく、9時15分に2回目の出動があった。
その後も立て続けに出動があり、午前は結局4回も出動をした。
って、今日はなんか多いにゃー。
ま、2日間しかない貴重な実習だから、出動が多いのは大歓迎だにゃー。
署内でボーっと待機してるのもつまんないしにゃー。
だはー。
食後はしばらく、のんびりとした時間があった。
隊員が寝泊まりする用の、ベッド付きの個室を休憩部屋に貸してもらっていたが、あまりにもヒマなので、署内をうろついた。
すると、体育館みたいな訓練部屋で、10人くらいの消防士さんが何やらロープを使って訓練をしていた。
「カッコイイにゃー!」って軽く外から覗いていたら、隊員さんに見つかり、「見学ですか?」と声を掛けられた。
「はい(笑) 少し見ててもいいですか?」と言うと、「どうぞどうぞ!」と招き入れられ、イスまで用意して下さった。
その上、隊長さんが訓練内容について、説明をしてくれた。
うーん、署内の人はみんな優しいにゃー。
だはー。
20分くらい見学していると、また署内のスピーカーが「ピー! ピー! ピー!」と騒ぎ始めた。
お、5件目の出動だ!
見学させてくれた消防隊員たちにお礼を言い、駐車場の救急車までダッシュした。
その後、5件目の病院搬送を終え、署に戻ってる途中に無線が入り、6件目の出動をした。
その後、6件目の病院搬送を終え、署に戻ってる途中に無線が入り、7件目の出動をした。
って、どんだけ多いんだよ!
7件目の交通事故者の病院搬送を終え、3時間ぶりに署に戻った。
すでに実習終了時刻の夕方5時を過ぎていたので、実習内容報告書&感想文を書いたら帰らせてもらえることになった。
パソコンを借りて感想文を書いていると、「今日は出動が多かったね! 7件も出動した学生さんは過去に記憶がないな。新記録じゃないかな?」と笑う救急隊長さん。
聞くところによると、普通の学生は0件〜2件、多くて4件くらいらしい。
勉強にもなったし、新記録も出せて良かったにゃー。
おっけーおっけー!
7件も出動すると、書くことがたくさんあり、1時間くらいパソコンと向き合っていた。
すると、突然、「ピー! ピー! ピー!」。
「学生さんは、もう来なくてもいいよ! お腹すいたでしょ? それ書き終わったら帰っていいからね!」と救急隊長さん。
時計を見ると、夕方6時50分。
確かにお腹はすいた。
でも、新記録を更新する大チャンスだ。
どうしよう・・・。
思い切って、「せっかくなので、行ってもいいですか?」と聞いてみた。
すると、「おお! 来るの!? 大歓迎だよ!」と救急隊長さん。
というわけで、8件目の出動に同行した。
1日で8件、2日で12件という出動回数は、ここ数年の学生の中で確実にトップだろう。
歴史に名を刻んだにゃー。
おっけーおっけー!
全ての実習を終え、夜8時にようやく帰宅した。
疲れたけど、普段のポリクリでは見ることのできないものばかり見れて、勉強になったにゃー。
消防署の人は、みんな優しくて親切で、礼儀正しくて元気も良くて、とても清々しい気分で過ごせたにゃー。
だはー。
また、この2日間の救急車同乗実習では、考えさせられることも多かった。
搬送先の病院の、とある医者に言われた言葉が深く胸に刻まれた。
「キミもこの実習で、現場の救急隊員がどれだけ頑張ってるか分かっただろう? なのに医者の中には『自分の専門外なので診れない』と診察を拒否したり、『この患者はウチの病院じゃないだろ! なぜ連れてきた!』と怒ったりする奴がいる。困って助けを求めてやってきた救急隊員や患者にそんなことを言ったって、何も始まらないだろ? そんなつまらん医者にだけはなるなよ。頑張って実力をつけて、どんな患者でもとりあえず診てやれる医者になれ!」