あわにゃん日記

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10年

皆様、明けましておめでとうございます!
昨年は、このあわにゃん日記をご愛読下さり、ありがとうございました!
今年も頑張って更新いたしますので、よろしくお願い申し上げます!
だはー。


・・・ん?
あわにゃんらしくない、丁寧な挨拶で気持ち悪い!?
って、ざっけんな!
たまにはいいじゃねーか!


今年は2010年か。
ついこないだ2000年になったと思ったのに、あれからもう10年も経つのかー。
早いにゃー。
だはー。


そう言えば、2000年はちょうど高校を卒業した年だったな。
卒業式の、担任の言葉を思い出すにゃー。
だはー。




俺の高校の卒業式は、2000年1月末にあった。
自慢じゃないけど俺の高校は、私立の中高一貫の男子校で、1学年180名中、30名程度が東京大学、20名程度が京都大学、30名程度が国公立大学医学部へ進学する、いわゆるそこそこの進学校だった。
それゆえ、卒業式のある1月末は、センター試験が終わって2次試験へ向けて頑張っている、受験戦争真っ最中だった。


俺は180人中177番くらいの超劣等生で、一切勉強せずにセンター試験を受けたら、全国平均点を切る散々たる成績だった。
それでも、医学部以外へ行くつもりは無かったので、センター試験が終わった時点で事実上1回目の大学受験が終了し、浪人することが決定した。
それゆえ、クラスには緊張感漂う中、俺はのんびりと卒業式を迎えていた。


学年全体での卒業式の後、教室に戻り、担任のワキタ先生(当時42歳男性)による最後のホームルームがあった。
ワキタ先生は生徒1人1人と握手をして、それぞれに卒業証書と最後の通知表を渡した。
通知表は、成績を1〜10の10段階で数値化したものと、備考欄に担任のコメントが書かれている。
成績は10段階と言っても、2以下は赤点なので、通常は付かない。
俺の通知表は、3や4ばかりが並ぶ中、体育8、書道9だけが光り輝いていた。
でも、結局、6年間で1回も10は取れなかったにゃー。
つぁはぁ〜。


備考欄には、1学期・2学期は「今の成績では医学部は無理です」とか「志望校を再考する必要があります」などと書かれていた。
この3学期は何が書かれているのかにゃ?
と思ったら、「10年後を楽しみにしています」と書かれていた。
周囲と見比べたが、成績の良い奴も悪い奴も皆、「10年後を楽しみにしています」と書かれてあった。


クラス全員に配り終えた後、カワキタ先生が言った。
「通知表には全員同じことを書きました。今、センター試験が終わったばかりで、センターが良かった人は活き活きとしていて、悪かった人はあまり元気がありません。もちろん、全員に志望校合格してもらいたいし、そのために役立てることがあるなら、僕はいつでも力になります。でも、本当に大切なことは、どこの大学に行くかじゃないんです。本当は大学なんてどうだっていいし、他にやりたいことがあれば行かなくてもいい。大切なのは、社会に出て、君たちが何を大切にし、何のために生きるかなんです。だから、全員に『10年後を楽しみにしています』と書いたんです。」


・・・胸にジーンと響いた。
中高6年間、ずっと数学を教わってきたが、カワキタ先生のそんな言葉を聴くのは初めてだった。
ワキタ先生は、ウチの高校の24年先輩でもある。
高校時代は学年トップ、そして東京大学に進学し、理学部数学科を主席で卒業した、とても優秀な人物だ。
そんな完璧な学歴を持つ人物の口から飛び出した意外な言葉に、俺は「素敵な人だな」と思った。




今年で2010年、あのときの「10年後」がやって来た。
・・・。
・・・・・・。
って、ざっけんな、俺!
社会に出て立派に生きるどころか、まだ社会にも出てねえじゃねーか!
いつまで学生やってんだよ!


ワキタ先生、ごめんなさいにゃー。
あと5年後の俺を楽しみにしてて下さいにゃー。
だはー。