今日は午前中、臨床腫瘍学の授業だった。
医療倫理の先生の授業で、末期癌の患者との接し方について、ケースシナリオが配られ、その問題点を班ごとにディスカッションさせられた。
って、ざっけんな！
ディスカッションとか、この世で一番嫌いなことだし！
と言うわけで、いつものようにほとんど発言せず、班員たちのディスカッションを温かく見守っていた。
そのディスカッションが終わる頃、倫理の先生が言った。
「じゃあ、話し合ったことを、班ごとに発表してもらおうかな？」と。
って、ざっけんな！
みんなの前で発表とか、この世で二番目に嫌いなことだし！
と言うわけで、班の10人でじゃんけんをして、発表者1人を決めることになった。
ま、いいや。
どうせ、確率は10分の1だ。
よし、じゃんけんぽん！
はい、負けた人で、じゃんけんぽん！
更に負けた人で、じゃんけんぽん！
って、ざっけんな！
俺かよ！
じゃんけん、どんだけ弱いんだよ！
発表があるなんて知らなかったから、ディスカッションの時間は適当に過ごしちまったじゃねーか！
ほとんど、頭に残ってないし！
つぁはぁ〜！
と思ったら、倫理の先生が言った。
「各班、代表者は決めたかな？ 10班全部に発表してもらう時間はないから、これからじゃんけんの決勝戦を行います！ 発表は喜んでやることだから、負けた人じゃなくて、僕とのじゃんけんに勝ち残った幸運な3人に発表してもらいます！」と。
ふむふむ、じゃんけんに勝ち残った人か。
今日はまだじゃんけんに1度も勝ってないから、この調子で負け続ければいいや。
だはー。
よし、じゃんけんぽん！
勝ち残った人で、じゃんけんぽん！
更に勝ち残った人で、じゃんけんぽん！
ぬおぉぉぉぉ！
全部勝っちまった！
って、ざっけんな！
勝ちたいじゃんけんで全部負け、負けたいじゃんけんで全部勝ったのかよ！
合計で100分の3の確率を見事にゲットかよ！
つぁはぁ〜！
と言うわけで、俺が発表させられた。
ディスカッションは適当にやっていたし、笑いのネタを考える時間も無かったため、その発表がヒドイことになったのは言うまでもない。
今日はツイてないにゃー。
つぁはぁ〜。
そんな散々な午前の授業を終え、気を取り直して白衣に着替え、午後は1外科の病棟で腹部診察の実習をした。
実習が始まって、1外科の先生が言った。
「んじゃ、腹部診察の見本を見せるから、誰か男子学生が1人、上脱いで、軽くズボン下ろして、そこのベッドに横になってください」と。
って、ざっけんな！
お腹とパンツ見られるのかよ！
女子学生もいるのに、恥ずかしいじゃねーか！
当然、志願者はおらず、班員6人の内、男子学生4人の中からじゃんけんで1人を選ぶことになった。
「って、またじゃんけんかよ！」と俺が言うと、午前中の出来事を見ていた全員が笑った。
さぁ、やるぞ！
もう、怖いものなんてないし！
ほら、じゃんけんぽん！
その結果、4人の内の負けた2人に俺が残ると、また笑いが起こった。
そして、負けた2人で更にじゃんけんをした。
どうせ俺だろ！
はい、じゃんけんぽん！
俺はグー、相手はチョキ・・・。
俺は、最後の最後に勝ったのだった・・・。
って、ざっけんな！
勝っちまうのかよ！
ここはお約束で負けなきゃいけないとこだろ！
負けたときのコメントで、「もう今度からじゃんけん省略していいよ！ 何でも俺がやるし！」っていうのを用意してたのに！
俺の右手はどんだけ空気読めないんだよ！
ざっけんなー！
