あわにゃん日記

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お医者さんごっこ

5年生になると、「ポリクリ」が始まる。
ポリクリとは、ドイツ語のpoliclinicの略で、臨床実習のことである。
簡単に言うと、白衣着て毎日病院に行き、6人くらいの班で、1〜2週間ごとに1年間かけて色んな科を回りながら、実際の医療を学ぶ実習である。


んで、先週から、「臨床診断学実習」が始まった。
これは、4月からポリクリが始まるのを前に、その準備として、基本的な診察能力や外科手技などを身につけるものである。
実習では、着慣れないケーシー*1を着て、使い慣れない聴診器を首にぶら下げて、なんかお医者さんごっこをしているみたいだ。
だが、1ヶ月後には、ちゃんと試験(OSCE;オスキー)もあるから、しっかり勉強しなければならない。
だはー。


と言うわけで、先週から、午前は普通の講義を受け、午後は白衣を着て、担当の医師から診察手技を習っている。
今日は、学食の真上にあるOSCE用の部屋で、1内科の先生から胸部診察の手技について習った。
ふむふむ、視診して、打診して、聴診器で音聴けばいいのね。
おっけーおっけー!


今日は2人の先生から学んだのだが、1人目の先生が去ったあと、2人目の先生が来るまでの間、放尿したくなって、俺は1人でトイレに向かった。
えーっと、この辺って、トイレはどこだろう?
あ、あそこにトイレマークあるにゃー!
おっけーおっけー!


すると、廊下の向こうの方から、解剖のサワグチ先生が1人で歩いて来るのが見えた。
サワグチ先生は、30代後半くらいで、渡辺謙のようなイケメンだ。
相変わらず、カッコイイにゃー。
だはー。


トイレの前に着く頃、ちょうどサワグチ先生と再接近した。
先生には、2年生のとき、組織学実習で何度かご指導していただいたっけ。
きっと、俺のことは覚えてないだろうけど、取りあえず、挨拶でもしておくにゃー。
だけど、相変わらず、カッコイイにゃー。
だはー。


と言うわけで、若干緊張しながら「こんちはっ!」と頭を下げ、俺はトイレに入ろうとした。
すると、俺の挨拶には直接返答はせず、サワグチ先生は笑いながら一言だけおっしゃった。


サワグチ先生「そっち、女子。」


って、ざっけんな!
右が女子かよ!
講義棟のトイレは、右が男子じゃねーか!
男か女のマークが付いた扉が開きっぱなしになってるから、どっちか分かんねえし!


「あはは・・・」と照れ笑いして、サワグチ先生の方を見ると、もう曲がり角を曲がって階段を下り始めていて、姿は見えなかった。
って、あんた、去り際までどんだけカッコイイんだよ!
そして、俺はどんだけカッコワルイんだよ!
ざっけんなー!




*1:上下セパレート型の白衣。名称はアメリカのドラマ「ベン・ケーシー」に由来する。