今日は春練習4日目。
朝9時から大学のグラウンドへ。
今日はどっかの病院に実習に行ってる人がいたり、地元で友達の結婚式がある人がいたりで、人数が少なかった。
あれ？
ミヨシも来てないの？
あいつは今日、何にもないはず。
体調でも悪いのかにゃ？
ま、どうでもいいや。
だはー。
ノック、バッティングなどいつものメニューを終えた後、キャプテン・ツジムラが妙なことを言った。
「じゃ、次はサッカーします」と。
ん？
さっかぁ？
って、あの、足でボール蹴るやつ？
「？」マークで頭がいっぱいの部員たちに、キャプテンが説明してくれた。
どうやら、春練習も始まったばかりでまだみんなの体力が追いついてないので、サッカーで持久力を鍛えるらしい。
なるほどねー。
って、サッカーなんて、高校3年生の体育の授業以来だにゃー。
だはー。
20分ハーフで、部員6名+マネージャー1名ずつのチームを2つ作り、サッカーをやった。
俺は小さい頃からずっと、サッカーより野球が好きだったので、サッカーは遊びでもほとんどやったことがない。
だからとてもヘタクソなのだが、久々にやってみると、とても楽しかった。
たまには違う球技をやるのもいいな、と思った。
スタミナは前半15分で切れてたけど・・・。
だはー。
サッカーでいつも以上に動き回ったせいで、みんなでメシ食って昼3時に帰宅すると、すぐに爆睡した。
本来なら、もうこのまま朝まで起きないところだが、今日は夕方6時、けたたましい「ピンポン」連打の音で目覚めてしまった。
・・・ざっけんな！
俺の睡眠を邪魔する奴、誰だよ！
絶対、俺は出ないからな！
ベッドから一歩も動かないし！
そう決め込んで無視していたら、次にケータイが鳴った。
ケータイが奏でたメロディーは、「世にも奇妙な物語」のテーマだった。
ん？
ミヨシ？
あいつが何の連絡もなく突然訪ねてくるなんて、珍しいな。
って言うか、今日部活にも来なかったし、何かあったのか！？
ただ事ではない雰囲気を察知し、ベッドから起きあがり、玄関のドアを開けた。
すると、「あわちゃん、大事件が起こったよ！」とミヨシ。
ええっ！？
どうしたんだよ！
何があったんだよ！
交通事故か？
泥棒か？
オレオレ詐欺か？
いや、ミヨシの場合、オッケーオッケー詐欺か？
一瞬のうちに色々想像してしまった俺に、ミヨシは言った。
「ウイルスだよ、ウイルス！」と。
・・・えっ？
ウイルス？
トリインフルエンザとか？
いや、その慌てっぷりからして、もっと致死的なウイルスか？
「ざっけんな！ パソコンだよ！ コンピューターウイルスだよ！」とミヨシ。
・・・なーんだ。
・・・そんなことかよ。
「ざっけんな！ 『そんなこと』じゃねーし！ これは一大事だし！ 俺のパソコンの全データが消えちゃったんだよ！ ネット接続もできなくなったし！ だから、おまえんちにネットしに来たし！」とミヨシ。
聞くところによると、今日はその問題解決と復旧のため、部活も無断でサボってパソコンと格闘してたらしい。
俺もパソコンは大切だけど、部活サボるほどのことでは無いにゃー。
だはー。
ミヨシは俺のパソコンで、ネット接続のために必要なドライバなどをダウンロードし、それを焼いたCD-Rを手に、満足げに去っていった。
って言うか、ミヨシのあんなに慌ててる姿、初めて見たにゃー。
再試まみれになってるときも、留年決まったときも、平然としてたのに。
パソコンのこととなると、話は別らしいにゃー。
だはー。
って言うか、それだけ大切なら、ウイルス対策ソフトくらいちゃんと使っとけよ！
ぷぷぷっ！
