あわにゃん日記

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孤高の天才

今日も一日中、家で過ごした。
今日は軽く家の掃除をした。
先日たくさんの人がやってきて、汚かった家がより一層汚くなった。
目立つゴミだけ片付けても、ゴミ袋3つ分になった。
つぁはぁ〜。


書くことがないので、今日は俺の好きな野球選手について書こう。
昨日、俺は巨人ファンだと書いたが、「今の巨人で誰が一番好き?」などと聞かれると少し困る。
なぜなら、俺が最も好きな現役選手は、巨人の選手ではないからだ。
その名は「前田智徳」。
野球好きなら誰でも知ってる、広島カープの選手だ。


前田は「孤高の天才」と呼ばれるバッターで、たとえホームランを打っても、理想の打球でなかったらニコリともしない男である。
あのイチローをして、「尊敬するバッターは前田さんです。彼は天才です。」と言わしめたバッターだ。
あの落合をして、「天才は俺じゃない。前田だ。」と言わしめたバッターだ。


1992年9月13日、対巨人24回戦、1-0で勝っていた試合の5回裏。
センターを守る21歳の前田智徳は、巨人・川相の打球を後逸してしまい、ランニングホームランとしてしまう。
そのせいで同点に追いつかれ、200勝まであと2勝に迫っていた広島・北別府投手の勝ち投手の権利は消え、6回で降板させてしまった。


そして1-1で迎えた、8回表の広島の攻撃。
1死1塁で3番・前田が打席に立った。
巨人・石毛投手がボールカウント2-2から投じた5球目。
前田がフルスイングで捕らえた打球は、ライトスタンド最上段に突き刺さった。
泣きながらベースを一周する前田。
これが決勝2ランとなり、広島が3−1で勝利する。
だが、試合終了後のヒーローインタビューに前田は姿を現さなかった。


前田は後に語っている。
「ミスを取り返さなければいけなかった次の打席(6回表)で、センターフライに倒れてしまった。あそこで打てなかった自分は本物じゃない。そのことに腹が立って泣いたんです。最後にホームランを打ったところで自分のミスは消えない。あの日、自分は負けたんです。」


この話を聞いて以来、俺は前田選手のことが好きになった。
自分の理想とするバッティングだけを追い求め、まるで剣豪のようにピッチャーに対峙する前田。
そのストイックな姿勢は、求道者そのもの。
「男とはこうあるべきだ」と俺は感じた。


しかし、そんな前田を悲劇が襲う。
1995年5月23日のヤクルト戦。
走塁中に、アキレス腱断裂という選手生命に関わる大ケガをしてしまう。
それ以降、今日に至るまで、足の状態が元通りになることはなく、辛い選手生活が続いている。


前田は言う。
「もう以前のように満足な打球を追い求めることはできなくなった。前田智徳という選手は死んだんです。」


しかし、それでも天才は、毎年3割を越える打率、20本を越える本塁打を放ち続けている。
そんな前田のことを、俺は応援している。
そして、尊敬している。