あわにゃん日記

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アンビリーバボー

今日は野球の練習試合。
相手は九州大学医学部。
球場がなかなか確保できず、結局、九大さんにわざわざ清武まで来ていただいた。
と言う訳で、今日の我々の集合時間は朝11時半。
さすがに、寝坊することはなかった。


今日の試合は前々からスタメンが宣告されていた。
1試合目、俺は7番ファーストで出場した。
が、つまらないエラーがあり、途中で代えられてしまった。
1度きりの打席も、空振り三振。
何も活躍できない最悪の結果に終わってしまった。


2試合目、もう一度チャンスをもらい、スタメンで出してもらった。
今度こそ、頑張るぞ。
しかし、またエラーをしてしまった。
うーん、何か今日はグローブの感覚がおかしいにゃー。
やっぱ、今週1度もグラウンドで練習してなかったからかにゃ。
俺レベルじゃ、毎日野球してないと、すぐ感覚が狂っちゃうにゃ。


バッティングの方は、1打席目に久々のヒット、しかもタイムリー2ベースを打てて良かった。
でも、今日はマイナスの要素が大きかったので、全く喜べなかった。
今日は反省点の多い試合だった。
また練習頑張って行くしかないにゃー。


試合が終わって片づけをしていたら、キャプテン・タナカに呼ばれた。
「お前んち、5人ぐらい泊められるよな?」と。
どうやら、九大の人たちを、ウチの部員宅に泊めるらしい。
なにそれっ!?
聞いてないんすけど!


ウチの部員が20名くらいに対し、九大は30人。
そりゃ、無理があるんじゃ…。
ウチに5人って、ざっけんなよ!
と思ってたら、タナカが「向こうのマネージャー、ちょうど5人らしくて、アワヤんちをマネージャー担当とします」とミーティングで言った。
ほほーん!
そういうことなら、ま、泊めてやってもいいかにゃ。
だははははは。


俺1人に、九大マネージャー5人か。
パラダイスだにゃ。
ヨダレが垂れてきた。
ぐへへへ。
が、しかし、そんな俺の妄想は、次の言葉に強制終了させられてしまった。
「九大のマネージャーには、ウチのマネージャーをつけるので、アワヤは家を明け渡して誰かの家に泊まって」と。
ざっけんな!!
マジでざっけんな!!


「仕方ない」と必死で自分を納得させ、家に帰って部屋の片づけをした。
そして、九大との飲み会に行った。
飲み会からミヨシと2人で俺んちに帰宅し、部屋の片付けの続きをやり、九大のマネージャーを迎えた。
家を明け渡し、玄関を出ると、思いっきりカギを閉める音がした。
なんかとても悲しかった。
1人宿無し状態の俺。
事情を知ったミヨシが、俺を自宅に泊めることに快く応じてくれた。
やっぱ、こういうときに頼りになるのは、親友・ミヨシしかいないにゃー。


2人で加納まで歩き、ミヨシ宅に行った。
加納まで歩くとさすがに疲れたけど、俺はドキドキしていた。
なぜなら、今日、ミヨシの家に初めて入るからだ。
いくら親友と言えど、遊ぶのはいつも俺んち。
ミヨシは、滅多なことがない限り、自宅に他人を入れない。
俺はその機会がなく、4年目にして初めて今日の日を迎えたのだ。


ミヨシの家に入った。
噂には聞いていたが、本当に足の踏み場がなかった。
ミヨシが先導し、道を作る。
ミヨシがモーゼに見えた。
やっとのことで見えたフローリング。
だが、ただのフローリングではなかった。
なぜか、足の裏にザラザラとした感触がある。


やっとのことでリビングまでたどり着き、足の裏を見てみた。
ほこりで足の裏が真っ黒!
おまえ、どんだけ掃除してないんだよ!
ミヨシに文句を言うと、「いいんだよ! 俺んちは外国の家なんだよ! 外国の家は土足だから汚れてるだろ!」と、裸足のミヨシが言っていた。
ぷぷぷっ。


ミヨシの家は見てるだけで楽しかった。
ふとキッチンを見ると、俺の身長よりも高く、白いダンボールが積み重なっていた。
リビングにあった同じダンボールの中を見てみると、見たこともない健康ジュースが1本も手をつけられずにギッシリ入っていた。
毎月ダンボール1箱が送られてくるタイプの通販だな。
自分で契約したのかな。
それとも、悪徳商法にだまされたのかにゃ。
ぷぷぷっ。


それ以外にも、目を引くものだらけだった。
リビングの床には、食べ物がこびりついてカビが生えたスプーンが落ちていた。
おまえ、これぐらいは捨てろよ!
机の上には、1年のときのドイツ語のカセットテープがあった。
おまえ、いつまで聞いてるんだよ!
パソコンデスクには、同じ目薬が10本もあった。
おまえ、目薬だけ買い置きしすぎだろ!
洗濯機のところの床には、20種類ぐらいの洗剤がおいてあった。
おまえ、どんだけ使い分けてんだよ!


そんな感じで、初めてのミヨシ家はアンビリーバボーな世界だった。
今や珍しいゲーム機・ドリームキャストを2人でやって遊んだ。
朝4時頃に眠くなった。
俺のために、ミヨシは実家から送られてきたダンボールの封を開け、新品のタオルケットと新品の低反発まくらを用意してくれた。
ミヨシは、「この低反発まくら、気持ちいいらしいよ。俺は普通のまくら使ってるけど。」と言った。
送ってもらったんなら、さっさと使えよ!
でも、ありがとうミヨシ。
こんな感じで、ミヨシの家を楽しんだのだった。