あわにゃん日記

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○リピー

唐突だが、東京大学の入学志願者が昨年より2割程度増えているらしい。
東大が今年初めて大学説明会を開くなどしたことも一因だが、それに加えて無視できない要因として挙げられているのが、漫画「ドラゴン桜」らしい。


俺はこの漫画を見たことがない。
だが、今年ドラマ化されたやつは見た。
このドラマは、元暴走族の貧乏弁護士が、倒産寸前の私立高校をエリート校に生まれ変わらせるため、偏差値30台の高校生たちに東大受験テクニックを伝授するという話だった。


とても面白いドラマだった。
いま自分が受験生だったら、きっと東大合格を目指すだろうなと思った。
今年の東大志願者が増えているのも、充分うなずけた。


そう言えば、ドラマの中でこんな話があった。
大受験する6人のうちの1人が、犬猿の仲の双子の弟に賞味期限切れのものを食わされ、東大の試験の真っ最中に腹の不調に襲われるという話だ。
これを見て、俺は自分の受験の時を思い出した。


国立の医学部一本を狙い続け、2浪して迎えた2002年の大学入試。
前期試験は90%くらい合格すると思っていただけに、不合格のショックはこれまでの人生で経験したことのないくらいの壮絶なものだった。
まさに、天国から地獄だった。
そして、2002年3月12日、俺は前期試験と同じ大学の後期試験場にいた。


私立なんて1つも受けてない俺にとって、3浪突入を防ぐ最後の可能性だった。
「石にかじりついても合格してみせる」という強い気持ちと、3浪への恐怖と親や友人の期待によるプレッシャーで、俺はこれから殺人でも犯すのではないかと思うようなすごい形相をしていた。
そんな後期試験の真っ最中に襲われたのが、腹痛だった。


俺は極度に緊張すると、腹の調子がおかしくなる。
猛烈にトイレに行きたくなった。
だが、トイレに行く5分の時間も惜しいほど、俺は試験時間に追われていた。
残り時間80分、我慢するしかないと思った。


腹はキュルキュル鳴り、脂汗が出ていた。
これ以上我慢したら、大腸が破裂するのではないかと思った。
だが、俺は「精神一到」という好きな言葉を念仏のように心の中で唱え、試験に集中した。
そして、とうとう試験終了まで我慢しきったのだった。
これまでの人生の中で、下痢に打ち勝った唯一の瞬間だった。


次の日の面接で、面接官に「昨日の試験はどうでしたか?」と聞かれた。
このことをおもしろおかしく話したら、面接官は3人とも笑っていた。
結局、俺はこの試験に合格し、この大学に入学したのだった。


内容は汚い話だけど、俺にとっては美しい思い出である。
ちなみに、今日の日記のタイトルはノリピーじゃないよ。
って、ざっけんな!