4月から呼吸器内科で研修が始まり、2週間が経とうとしている。
1週目の先週は、研修医が俺1人だけだったので、とても孤独だった。
その上、下っ端が1人だと、色んな仕事が俺の身に降りかかってくるから、とても忙しかった。
正直、かなりつらい毎日だった。
つぁはぁ〜。
しかし、指導医が仏様のような優しい先生だったのが救いだった。
「今日もありがとね。アワヤ先生はテキパキ働いてくれるから本当に助かってますよ。」などと、一日の終わりに仏様は必ずねぎらいの言葉をかけて下さった。
新しい科で、分かんないことだらけで、何の役にも立ってない気がするけど…。
でも、その言葉のおかげで、「よし、明日も頑張るか！」と思えた。
また指導医に恵まれて良かったにゃー。
だはー。
そして、今週からは、国試に合格したばかりの1年目の研修医がやってきた。
男2人・女1人の研修医は、右も左も分からない中、みんな真面目に頑張っていて、とても微笑ましい。
困ってる姿を見ると、お節介にもついつい「どしたん？ 大丈夫？」と声を掛けてしまう。
もっとバンバン質問してくれていいのにな。
遠慮してんのかな。
…ん？
俺が頼りないから質問しない！？
って、ざっけんな！
そんなこんなで、今日は4月12日。
俺の31歳の誕生日だ。
別に誕生日だからって何かを期待する年齢じゃないけれど、やっぱり今日だけは悪いことは起きないで欲しいにゃー。
だはー。
と思ってたら、今朝、枕元のケータイが鳴って目が覚めた。
「朝5時半？ こんな早朝に誰だ？」と思って電話に出ると、病棟の看護師さんからだった。
病棟で直接「誕生日おめでとうございます！」って言うのが恥ずかしいからって、わざわざこんな早朝に電話してきたのかにゃ？
今の病棟の看護師さんとはまだほとんど絡んでないけど、わずか2週間足らずで知らぬ間に俺のファンが生まれてたみたいだにゃー。
やっぱ、モテる男は大変だにゃー。
だはー。
看護師さん「アワヤ先生、朝早くすみません。××さんの今朝のリンデロン点滴のオーダーが無かったんですが、終了でいいんですか？」
って、ざっけんな！
思いっきり仕事の電話じゃねーか！
リンデロンなんて終了だし！
そして、俺の妄想タイムも終了だし！
相変わらずモテないのだけは継続だし！
って、ほっとけよ！
そんなわけで、早朝から叩き起こされた誕生日だったが、その後は何事もなく普通に過ぎ去った。
夜8時半、今日も忙しい一日を終え、腹ペコで真っ暗な家に帰宅すると、なぜか無性に寂しさを感じた。
普段は独りぼっちでも寂しさなんて感じない俺だけど、やっぱり誕生日は別らしい。
そこで、今の職場で唯一何の気兼ねもなく誘える、研修医同期のイカワくん*1に電話した。
「仕事終わった？ どうせまだメシ食ってないだろ？ 一緒にどっか食いに行かねえ？」と。
イカワくん「軽く食べましたけど、まだ食えるんで大丈夫ですよ。でも、まだ仕事が終わってないんですよ。あと1時間くらいかかります。」
って、ざっけんな！
ちんたら仕事してんじゃねーよ！
腹ペコリンなのに、1時間も待てるかよ！
もういいし！
おまえなんて、二度と誘わねーし！
と言うわけで、一人でピザの宅配を頼んだ誕生日の夜だった。
ふう、久々に食うピザはうまいにゃー！
あー、幸せにゃー！
腹が満たされると、意外に心も満たされるもんだにゃー！
満足な誕生日だったにゃー！
だはー。
ん？
寂しい男？
って、ほっとけよ！
*1:大学の後輩だけど、なぜか途中から同じ学年。学生時代、50音順で臨床実習班も同じ。卒業も同じ。研修先も同じ。住んでる研修医宿舎も同じ。っていう、もはや腐れ縁。
