あわにゃん日記

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笑ってはいけない in 精神科

予告通り、昨日の続きを書くにゃー。
だはー。


午前は5年生のイワオくん(住職)のなぞなぞを楽しみ、昼メシを食って午後になった。
しばらくして、5年生は午後の病棟行事に行き、他の6年生2人も用があって不在だったので、俺は学生控え室で1人ぼっちになってしまった。
さっきまで賑やかだったのに、急に1人になると寂しいな。
ま、QBやるか。
午前中はなぞなぞばかりで、今日はあんまり勉強してないしな。
だはー。


1時間くらい黙々と勉強していると、学生控え室を誰かがノックした。
学生の場合はノック無しで勝手に入って来るので、ノックがあるということは、先生が来たということだ。
急いで向かいのイスに乗っけていた足を下ろし、乱れていた白衣も正し、一瞬で「おりこうさん」の姿勢に戻った。
直後、開いたドアの外には、男女2人の若手の先生がいた。
俺を見るなり女医さんが「あ、1人いました!」と、もう1人の男の先生に向かって言った。
ん?
どうかされましたか?
俺に何か用ですか?


すると、「職員の健康診断があって、採血して提出しなきゃいけないんだけど、せっかくだから学生さんたちの練習台になろうかなって(笑) ほら、いつもほったらかしにしてて、実習らしいことをあんまりさせてあげられてないから(笑)」と女医さん。
見ると、女医さんの手には採血器具が一通りそろっていた。
って、ざっけんな!
「学生さんたち」って、今この場にいるのは俺だけじゃねーか!
必然的に、俺がやんなきゃいけないじゃねーか!
つぁはぁ〜。


採血は、これまで3回くらいやったことはある。
しかし、相手は全員同級生だった。
って、ざっけんな!
同級生の採血でさえ緊張したのに、目上の人の採血って!
つぁはぁ〜!


と言うわけで、男の先生の採血を俺がした。
「何回、失敗してもいいからね!」などと優しく言ってくれたので、緊張は緩み、何とか1発で成功した。
他の先生の採血は、病棟行事から戻って来た5年生がやってくれた。
ふう、無事に1発で終わって良かったにゃー。
でも、まさか精神科のクリクラで採血をすることになるなんて、予想だにしてなかったにゃー。
医者になるまであと1年、本番前にいい経験させてもらって、良かったにゃー。
ん?
1年後は国試浪人生?
って、ざっけんな!


その後、再び5年生たちと学生控え室でのんびり過ごした。
また、なぞなぞやったりした後、なぜかイワオくん(住職)に対する質問攻めが始まった。
「どうやって僧侶や住職になる勉強するの?」とか、「神社とお寺ってどう違うの?」とか、みんな疑問に思ってたことを次々と質問していった。
ふむふむ、「寺は何かを期待して行くところじゃない」か。
・・・名言出たね!
メモっとこ( ..)φ


・・・え?
なになに?
イワオくんは通信教育で勉強したの?
iPodでお経聴いてたの?
ぷぷぷっ!


イワオくんはとてもいい人で、どんなくだらない質問にも丁寧に答えてくれた。
最後には、「お経よんでみて!」という女の子の若干失礼なリクエストにも、「恥ずかしいから、目をつぶってくれるならいいよ!」と応えてくれた。
え、マジ?
やったー!
と言うわけで、みんな姿勢を正し、目を閉じて、イワオくんのお経を聴かせてもらった。


イワオくん「開彼智慧眼〜滅此昏盲闇〜閉塞諸悪道〜通達善趣門〜功祚成満足〜威曜朗十方・・・」


シーンと静まり返っていた学生控え室に、イワオくんのお経が響いた。
大学病院の精神科の学生控え室で、白衣を着た医学生が、全力でお経を唱えていた。
・・・ぷぷっ・・・はっはっはー!


この面白さを文字で伝えるのは難しいけど、医学生が病院でお経をよんでいるという奇妙な状況だけでなく、「笑ってはいけない」みたいな空気も、より面白さを倍増させた。
とりあえず、笑い過ぎて涙が出たにゃー!
ここ数年で一番笑ったかもしれないにゃー!
あー、腹いてー!
はーはっは!


いつも通りに夕方5時、5年生たちと一緒に帰路に就いた。
5年生の精神科ポリクリは1週間だけなので、今日で彼らとはお別れになる。
いやー、とても素敵な班だったにゃー。
彼らのおかげで、精神科は今週が最も楽しかったにゃー。
来週もいて欲しいくらいだにゃー。
だはー。