耳鼻咽喉科のポリクリ3日目。
今日は8時20分に手術室に集合で、手術見学の予定だった。
しかし、手術室に入ってすぐ、学生用として渡されていた院内PHSが鳴った。
「はい、もしもし・・・。」
聞くところによると、今から教授が4年生の講義を行うらしいのだが、ポリクリの学生もそれに参加するようにとのことだった。
4年の教室で講義かー。
久しぶりだにゃー。
講義はだるいけど、手術室で立ちっぱなしよりはマシかにゃ？
だはー。
と言うわけで、久々に4年生の教室に行き、一番前の席にポリクリ班員たちと並び、講義を受けた。
その講義中、教授が手術のビデオを上映しようとした。
「皆さん、見えますか？ 少し、教室の照明が明る過ぎますか？ 僕はこの教室の照明をどうやって調節するか分からないので、分かる人いたら調節して下さい。」と教授。
すると、4年生の女の子が教室の前方に行き、何やらボタンを押して、照明を暗くした。
おっけーおっけー！
「ありがとう。見えるようになりましたか？ ポリクリの5年生たち、どうですか？」と、教授が俺たちに聞いてきた。
教授がこっちの方を見ていたので、俺や周りの班員は大きくうなずいた。
しかし、班員のイカワくんだけは、思いもよらぬ返答をしてしまうのだった。
イカワくん「はいっ！ 聞こえます！」
って、ざっけんな！
教授は今、教室の明るさの話をしてんだよ！
「聞こえます」じゃねーよ！
そんな返答をしてしまうってことは、「何も聞いてなかった」ってことの証明じゃねーか！
ぷぷぷっ！
久しぶりの大きな教室での講義は、90分がとても長く感じられた。
うーん、去年は毎日こんなダルい90分の講義を、1日に4つも受けてたのかー。
手術室で1日中ずっと立ちっぱなしは疲れるけど、ずっと机に付きっぱなしの1日も疲れるにゃー。
ん？
結局、廃人は家にいるとき以外は全て疲れるってことかにゃ？
だはー。
授業が終わり、教授と共に手術室へ。
昼休みを挟んで、夜7時過ぎまで複数の手術を見学した。
帰ろうとしたら、「アワヤさん、一緒に図書館行きません？ レポート用に、本でも借りに行きましょうよ！」と班員のアオヤマくん。
ん？
レポート、もうやるの？
・・・ま、いっか。
どうせ1人じゃギリギリまで行かないだろうし、早めに借りておくにゃー！
おっけーおっけー！
と言うわけで、アオヤマくんと2人で図書館へ。
俺の担当患者さんの病気に関する本を、1つ見つけた。
すると、「アワヤさん、借りるの1冊だけですか？ だったら、僕の本を2冊借りてくれませんか？」とアオヤマくん。
って、ざっけんな！
何でおまえの本を俺が借りなきゃいけないんだよ！
自分で借りろよ！
聞くところによると、自分で借りようとしたら、前回借りた本を延滞していることが判明し、現在貸出停止中になってて借りられなかったらしい。
って、ざっけんな！
借りたものはちゃんと返しとけよ！
1人3冊まで借りられるうち、なんで俺の残り2冊をおまえのために提供しなきゃいけないんだよ！
結局、俺のカードでアオヤマくんの2冊も借りてあげた、心優しい俺だった。
って、おまえ、俺の名義で延滞したら、許さねえからな！
だはー。
