あわにゃん日記

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快晴

目を覚ましたら、朝5時だった。
起きて窓の外を見ると、この旅館の主人の爺さんが、ステテコ姿で露天風呂を掃除していた。
杖の代わりに長いブラシを持ち、ゴシゴシ磨いていた。
きっと、何十年間も同じことをやっているのだろう。


ミヨシもしばらくして起きた。
2人で話し合った結果、熊本経由で宮崎に帰ることになった。
「あの爺さん、足悪そうだからな」とか言いながら、2人で布団を元通り綺麗にたたんで押し入れに戻しておいた。
そして、しばらくのんびり過ごして、朝10時に宿を発つことにした。


朝10時と言っても、チェックアウトの時刻というわけではない。
ガラガラのこの旅館に、チェックアウトの時刻のなんか存在しない。
そもそも、「何泊ですか?」なんてことも一度も聞かれなかった。
全ては自由なのだ。


爺さんに、「もう発つので、宿泊料を払いたいんですが」と言うと、隣の家にいる婆さんに払うように言われた。
婆さんのところに行き、宿泊料を払った。
婆さんは両手を広げ、「今日は満天の快晴! 気持ちいいね!」と満面の笑みを浮かべた。
たかが晴れたくらいでこんなに喜べるなんて、素晴らしいと思った。


ミヨシと熊本へ向かった。
大将軍という店でラーメンを食い、宮崎へ戻った。
そして、夕方4時過ぎに宮崎に戻り、2日間の短い旅が終わった。


この旅は、特に何の目的もなかったし、特に何をしたわけでもなかった。
しかし、大分の山奥と、そこで旅館を経営する爺さんと婆さんは、うまく言葉にできないけど、確実に何かを感じさせてくれた。
それらに、自分の愚かさを責められてる気もしたし、頑張れとエールを送られてるような気もした。


あと、言うまでもないが、この旅で最も大きかったのは、ミヨシという親友の存在だ。
いつも通りにくだらない会話をしつつ、たまに混ざった真面目な会話は、色々と考えさせてくれた。
ミヨシ、ありがとう。


快晴は、昼夜逆転してるときは腹が立つくらい眩しいし、部活は暑すぎてやる気がなくなるから嫌いだ。
でも、今日の快晴は、とても暖かく気持ちよく感じた。