あわにゃん日記

はてなダイアリーサービス終了に伴い、はてなブログに引っ越しました。

左隣のおじいさん

昨夜、テレビを見ながらソファーで眠った。
と思ったら、1時間半で目覚めてしまった。
結局、その後は眠れず、朝まで起きていた。


朝になり、だんだん眠気がやって来て、すこぶる迷った。
このまま中途半端すぎる睡眠時間でパチンコに行くか、あるいは今日もパチンコサボって家で過ごすか・・・。
よし、頑張ってパチンコ行こう!
おっけーおっけー!


実は、明日から野球部が動き出すので、完全にフリーな春休みというのは今日で終わりである。
と言うわけで、パチンコに行ったのだが、やはり半端じゃなく眠かった。
コーヒーを何杯飲んでも、常に意識はもうろうとしていた。
つぁはぁ〜。


開店から2時間が経過した正午頃、俺の目を覚ます事件が起こった。
左隣の席のおじいさんが、ドル箱からパチンコ台の上皿に上げようとした銀玉(パチンコ玉)を、5個くらいこぼしたのだ。
いや、それは大雑把な人にはよく見られる光景で、何の不思議もないのだが、事件はここからだった。


そのこぼれた銀玉のうちの1つが、ピンポイントで台の隅っこに当たり、奇跡の方向転換をして、俺の方に飛んできたのだ。
そして、見事に俺の股間にぶち当たった。
しかも、その当たった場所というのが、睾丸(こうがん)!


銀玉は金属の玉だけど、5グラムちょっとの軽い玉なので、何の痛みも感じない。
でも、それは俺の笑いのツボを的確に捉えた。
ぷぷぷっ!
睾丸に当たったで!
こんなの奇跡だし!
銀玉と金玉との、夢の共演だし!
はっはっは!


時間が経つにつれて、更に面白くなってきて、俺は堪えきれずに1人で笑っていた。
そのおかげで、すっかり目が覚めたのだった。
だはー。


その後、銀玉金玉事件の原因となった左隣のおじいさんと、なぜか仲良くなった。
話しかけられ、彼の話に笑顔で相づちを打っていたら、気に入られてしまった。
ま、パチンコ屋の凄まじい騒音と彼の宮崎弁のきつさで、何を言ってたかは分かんなかったけど。
だはー。


おじいさんは、俺の台にリーチがかかるたび、手のひらを俺の台に向けてクルクル回し、おまじないをしてくれた。
その効果のおかげかどうかは分からないが、今日は良く当たった。
結果は、少し運が良くて、+5万300円。
仕事量も+3万円を超え、今日もいい仕事だった。
おじいさんも運が良くて、5万くらい勝っていた。


俺はおまじないなんてやったこと無いので、おじいさんにおまじないのお返しをしてあげることはできなかった。
代わりに、釘の見方やパチンコで勝つ仕組みを教えてあげてもいいんだけど、そんなことをすると、彼のこれまでの数十年のパチンコ人生を全否定してしまうことになるしな。
彼のパチンコ話を聞いて、ただただ俺は笑顔でうなずくだけだった。


話の内容はほとんど分からなかったけど、彼がいい人だということだけはよく分かった。
そして、彼が心からパチンコを楽しんでいるということも分かった。
夕食時になり、「じゃあ、お先に。頑張ってね!」と俺に言って、おじいさんは去っていった。


多分、このおじいさんは、パチンコで勝つ仕組みを何一つ理解していない。
今日は運良く勝っていたが、長期間で見ると緩やかに負け続けているだろう。
でも、去っていく彼の後ろ姿を見ていたら、「これでいいんだ」と俺は漠然と思った。
なにも、パチンコで金を儲けられる人だけが、幸せなパチンカーではないのだ。


春休みパチンコ・10日目終了時点で、+8万1200円。