あわにゃん日記

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ナガミ

俺には、小学6年生の頃から付き合ってる、ナガミという友人がいる。
今いる友人の中で、一番長い付き合いである。
彼とは小学校は違うのだが、当時通っていた進学塾で仲良くなった。


俺の生まれ育った広島では、お勉強のよくできる子供は、小学校高学年から塾に通って中学受験をする。
広島県内で優秀な高校と言えば、私立の男子校・女子校で、それらは皆、中学高校6年間の一貫教育校である。
特に県内トップの男子校である「広島学院中高等学校」は、高校では入試を実施しておらず、中学からしか入学できないので、それも中学受験人気に拍車をかけている。
俺も、その広島学院を目指し、塾に入って勉強していた。


その塾には小4から通っていたのだが、小6になると、成績順にクラスを分けられた。
成績優秀だった俺は、当然のように一番上のクラスに入った。
「ほんとに!?」って疑ってんじゃねーよ!
今は落ちぶれちゃいるけど、元・広島県内トップだっつーの!
なめんなっ!
ま、トップ取ったのは10歳のときだけど・・・。
って、ざっけんな!


そのクラス替え後の最初の授業、教室に入ると、なるほど、優秀そうな人ばかりがいた。
が、1人だけ、有り得ない奴がいた。
それが、ナガミだった。


彼は塾の授業中に、何の脈絡もなく突然1人で爆笑を始めたりする、かなりの天然キャラだった。
「絶対あいつ頭おかしいな」と思いつつも、それでも最優秀クラスにいる彼のことが、気になって仕方がなかった。
当時の俺の頭の中では、「天然くん=お勉強できない」という公式が成り立っていたのに、彼はそれを見事に打ち砕いたからである。
そして、ある日勇気を出して隣に座り、友達になったのだった。


その後、2人とも第一志望である広島学院に合格した。
そして広島学院中高6年間で更に友情を深めていった。
今じゃ、親友中の親友である。


今日1月11日は、そのナガミの24歳の誕生日だった。
昨日まで全く気にも留めていなかったが、深夜0時に俺んちの電波時計の日付が「1月11日」と表示され、彼の誕生日に気付いた。
そして、東京にいる彼へバースデーメールを送った。


ガキの頃よりはマシになったけど、ナガミは今でもかなりの天然ボケである。
突如、全く意味の分からないことを言い始めたりする。
今日もメールで普通の会話をしていたら、突如、意味不明なメールがやって来てビビった。


俺「24歳の誕生日おめでとう!」
ナガミ「ありがとう! 覚えとったん?」
俺「さっき日付見て、気付いたで。覚えやすい誕生日じゃけえね〜。」
ナガミ「スペイン系ハーフの娘と結婚したいです。」


・・・ざっけんな!
意味わかんねーんだよ!
説明が足りな過ぎなんだよ!
おまえがハーフ好きっていうのも、おまえの結婚願望も、こっちは初耳だっつーの!
しかも、なんでスペイン系限定だよ!
おまえ、ハーフの人を見て、スペイン系とかドイツ系とか見分けられるのかよ!
ざっけんな!


彼のメールの理解に10分費やし、結局、「スペイン系ハーフが身近にいるの? それともいつもの妄想?」と返信した。
すると、彼から更に意味不明なメールが返ってきた。


ナガミ「未来日記。男は女にこう告げた。『一緒のお墓に入ろう』 そして、彼女は妊娠した。」


ええっ???
なんでこういうことになるんだよ!
なんで未来日記が出てくるんだよ!
どういう思考回路をたどれば、こんなメールを送れるんだよ!
行間を読めってこと?
って、どんだけ広い行間なんだよ!
ざっけんな!


15分悩んだが、もはや俺は理解することを諦めた。
「よく分かんないけど、頑張ってね〜」と超テキトーに返信して、メールを終えた。
こんな意味不明な彼と、俺はもう13年近くも付き合っている。
死ぬまでには、彼の話す言葉をすべて理解できるようになりたいな、と思っている。
だはー。