あわにゃん日記

はてなダイアリーサービス終了に伴い、はてなブログに引っ越しました。

再見

いつも通り夕方起きて、オンラインゲームを起動。
しばらくボーっと遊んでいると、レベル1の見知らぬ人から話しかけられた。
「ざっけんな!」と。


一瞬、ミヨシが作った新キャラかと思ったけど、ミヨシはちゃんといつものキャラでオンライン上にいた。
と言うわけで、「誰だよ! ざっけんな!」と返信した。


しばらく会話して、どうやら正体が分かった。
イシベのようだ。
でも、イシベの宮崎のパソコンはノートのはず。
ノートじゃ、このゲームは厳しいんじゃないかにゃー。


と思ったら、インターネットカフェでやっているらしい。
ミヨシも誘って、3人でグループを組んで、狩りとかして遊んだ。
チャットで「ざっけんな!」が絶えず飛び交い、楽しかった。
何時間か遊んで、解散した。


このゲームではグループのことを「徒党」と言うのだが、ミヨシたちと分かれた後、俺は別な徒党からお誘いが来て、その徒党で狩りをしていた。
すると、しばらくして党首の人が「あの〜、徒党に入りたい人から対話チャット来たんですけど…」と言った。


狩りが楽になるので、徒党は大人数の方が好都合だ。
普段は党首が勝手にOKを出して、新メンバーが来ることを徒党員に伝えるだけなのだが、今日は違った。
党首はなぜか、徒党に入れてもいいかどうかをみんなに相談してきた。


何でかな?
変な人なのかな?
と思ってたら、党首が言った。
「送られてきた文章が漢字ばっかりで、中華っぽいんですけど…」


「中華」というのは、中国人のプレイヤーのことである。
このゲームは日本の戦国時代を生きるゲームで、全て日本語のゲームだ。
でも、少なからず、外国でもプレーされているらしい。
さすがに欧米人は少ないが、中国や台湾などのプレーヤーは結構いるらしい。


まあ、たとえ中華であっても、ゲームには何の支障も無いので、俺はOKした。
他の徒党員たちもOKした。
そして、中華の人が来て、みんなで一緒に狩りをした。


だが、俺の予想に反し、その人は全然中国人っぽくなかった。
普通に日本語を使って会話してんじゃん!
本当に中国人なのかにゃー。
党首の勘違いじゃないのかにゃー。


でも、次の漢字を見て、俺はその人が中国人だと確信した。
「経験」という漢字を、「經驗」と書いたのだ。
つぁはぁ〜!
難しいよ、その漢字!
変換候補に出てこないよー!
やっぱ、ホンモノの中国人だー!


外国の人と普通に一緒に遊べるなんて、オンラインゲームってすごいなーと思った。
その中国人のおかげで、俺はいつもより楽しく狩りができた。


明け方になり、1人また1人と、睡魔に負けて去っていった。
そして、朝6時、徒党が解散することになった。


いつも通り、「お疲れ様でした」「またねー」などと別れの挨拶をして、手を振った。
すると、最後まで残っていた中国人が俺に言った。


「再見^^」


それまでずっと日本語で会話してきたので、最後の最後に中国語が出現して驚いた。
彼は「再見」という熟語が、日本にもあると思っているのだろうか。
それとも、「ずっと日本語で会話してたけど、自分は実は中国人なんだよ」と言いたかったのだろうか。


何にしても、彼と仲良くなれた気がして、俺は嬉しかった。
俺も「再見^^」と笑って、オンライン上をあとにした。